研究者ご挨拶
この度は、本研究に関心を持っていただきありがとうございます。
私は兵庫県立大学看護学部在宅看護学の大村佳代子と申します。
この度、在宅現場での連携をより強化するために、医師・看護師からの意見をまとめ、「訪問看護指示書メイカー」(仮称、以下指示書メイカー)の開発を行いました。
ここでは、指示書メイカーを開発するに至った経緯と、今回試用していただく指示書メイカーについてご紹介したいと思います。
1)指示書メイカー開発に至った経緯
訪問看護指示書は、訪問看護の開始に必要な医師から発行されるもので、
医師と訪問看護師間で、療養者の情報を共有する唯一の情報共有ツールです。しかし、現行の指示書の書式は、シンプルであるが故に、
必要な情報を得るために何度も医師に電話やFAXをして確認する場合があります。
一方で、多用な医師の皆様にとっては、
訪問看護師から問い合わせや修正依頼が何度もあることで貴重な時間が奪われてしまうことや、
訪問看護指示期間に空白が生じないよう、療養者ごとに指示期間を把握しておかなければならないことなども課題です。
このような経験から、聞き取り調査・質問紙票調査により訪問看護師や診療所医師の皆様からの意見を分析し、
訪問看護指示書が簡単、適切、かつスピーディに記載・管理できる入力システムを、AHIT株式会社の協力を得て企画・開発してきました。
2)指示書メイカーの紹介
今回試用していただく指示書メイカーは、以下のような工夫を行っています。
- 住所や年齢等、自動入力を最大限使用し、入力箇所を極力少なくした
- 病状欄の文字制限なし、病状サマリーのコピー&ペーストを可能に
- 現場の訪問看護師の意見から作成した入力ガイド。初めて入力する場合でも項目を順番にチェックしていけば、エラーの少ない指示書が作成できる
- 複数の褥瘡指示、ACP、検査結果等も記載できるよう新たな項目を追加
- 療養者毎の過去の指示内容を保存し、継続発行の際の手間を最小限に
- 訪問看護指示期間のリマインダー機能:期限の1週間前になると指定したメールにお知らせ
- 主治医以外に、指示を出した医師(指示医)の記名欄も追加
- 作成及び編集が行われる毎に作業お知らせメールが主治医宛に届き、作業確認ができる
- クラウドを使用するためどのような端末からでもアクセスが可能
- 登録できる患者数は制限なし
- 完成した指示書はPDFでダウンロードし、各医院の電子カルテ等に保存可能
- 研究終了後も継続して指示書メイカーの利用が可能(※希望施設のみ)
このように、現段階で考えられる限りの工夫を行なっていますが、
今回の評価研究で、現場の医師・看護師の皆様のご意見を反映し、さらに改善・改良していきたいと思います。
お忙しいところとは思いますが、ぜひ研究へのご協力をお願いいたします。
研究代表者 大村佳代子
兵庫県立大学 看護学部・看護学研究科 生涯広域健康看護Ⅰ講座 在宅看護学領域
〒675-8588 兵庫県明石市北王子町13-71
TEL/FAX 078-925-9436 (直通)